民間学童とは?公共学童との違いや子どもに合った施設の選び方も紹介

民間学童とは?公共学童との違いや子どもに合った施設の選び方も紹介

平日は仕事で忙しいために、小学校の放課後や長期休みなどに子どもを預ける場所を探している人もいるでしょう。子どもの預け先として有力となる候補が「学童」です。しかし、学童には民間学童と公共学童という種類があり、どちらを選べばよいのか迷うことは少なくありません。

そこで今回は、民間学童と公共学童の違い、民間学童を利用するメリット、民間学童を選ぶ際のポイントや注意点などを解説します。子どもと家庭にとってベストな民間学童を見つけたい人は、ぜひ参考にしてください。

1.民間学童とは

民間学童とは、主にNPO法人や塾、教育関連事業を行う一般企業が運営する学童保育のことです。英会話や書道の教室を開いたり、食事を提供したりするなど、施設運営を担う法人や団体によって、預かり以外のサービスやオプション内容は異なります。

1-1.公共学童との違い

公共学童(公立学童)とは、自治体が運営する学童保育のことです。小学校内のスペースや近所の児童館で運営される場合が多く、同じ小学校の子ども同士が集まりやすい環境となります。民間学童と公共学童の違いは、以下の通りです。

  • 受けられるサービス
    子どもを預かってくれる点は同じですが、そのほかのサービスに違いがあります。たとえば、学習面において公共学童は宿題の声かけ程度ですが、民間学童では習い事や独自の学習プログラムを受けることができます。また、キャンプや夏祭り、クリスマス会といった季節ごとの遊び・イベントについても、公共学童に比べて民間学童のほうが豊富です。
  • 利用料金
    公共学童は公的施設であるため比較的安く、無償~約1万円/月で利用できます。民間学童は運営法人やサービス内容によって差がありますが、平日5日間で利用する場合、約4~10万円/月が相場です。
  • 利用時間
    基本的に、公共学童の閉所時間は夕方5~6時ごろです。それに対して、民間学童は遅くまで開いている場合が多く、夜9~10時まで利用できる施設もあります。夏休みなどの長期休暇中は朝から預かってくれることも民間学童の特徴です。

また、公共学童には入所基準が設けられています。自治体によっては両親の勤務日数や時間を審査条件として設定しているため、共働き家庭が優先される傾向にあります。公共学童に空きがない場合、審査条件を満たしていても利用することはできません。厚生労働省の調査によると、2020年に放課後児童クラブに入所できなかった待機児童は約16,000人であり、公共学童だけでは対応しきれていないのが現状です。

出典:厚生労働省「令和2年(2020年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」(※現在はページがありません)

2.民間学童を利用する2つのメリット

民間学童は、NPO法人や一般企業などが差別化を図りながら運営しているため、公共学童とは異なるさまざまなメリットがあります。特に「充実した学習サービスを利用できること」「遅い時間まで子どもを預けられること」は、民間学童ならではのメリットです。

ここからは、民間学童を利用する2つのメリットについて詳しく解説します。

2-1.学習に関する各種サービスが充実している

自治体が運営する公共学童に比べると利用料金は高いものの、民間学童は親子にとって魅力的な独自のサービスを展開していることが特徴です。算数や国語といった主要科目の教室開催はもちろん、中には中学受験を視野に入れたカリキュラムや、算数検定・漢字検定の取得を目指すコースもあります。

専門家やネイティブの英語講師によるピアノ・英語などの人気の習い事のほか、ダンスやアート、プログラミングに至るまで、利用できる学習サービスは民間学童によってさまざまです。こうした魅力的な学習サービスは、平日に限らず土日でも受けられます。民間学童での学びや経験がきっかけとなり、子どもの新たな才能が開花することもあるでしょう。

2-2.遅い時間まで子どもを預かってもらえる

夜の9時や10時まで民間学童を利用できることは、仕事などで早く迎えに行くことが難しい人にとって大きなメリットです。子どもの預け先に困った場合、フルタイム勤務から時短・パート勤務に切り替える必要がありますが、民間学童を利用すればそのまま働き続けることができます。

また、民間学童によっては施設から家まで送り迎えしてくれる送迎サービスも提供しています。子どもが夜道を一人で歩いて帰る必要がないため、安心して学童保育を利用できるでしょう。

3.民間学童の選び方|押さえるべきポイント

民間学童を選ぶ際は、情報収集した上で、気になった施設を見学することが大切です。ホームページだけでは分からない実際の雰囲気を確認したり、気になることを職員に直接質問したりしましょう。その際、いくつかのポイントを押さえることで、家庭に合う民間学童かどうか判断することができます。

最後に、民間学童選びで押さえておきたい4つのポイントを紹介します。

3-1.学童と家庭の教育方針は一致しているか

民間学童の運営方針は、運営する法人や団体によって違います。「子どもがゆっくりと過ごせる空間にする」「習い事を充実させて学びを多くする」など、民間学童が掲げる運営方針は多種多様です。そのため、学童と家庭の教育方針があまりにもかけ離れていると、子どもの成長に影響が及ぶ可能性があります。たとえば、「子どもにはのびのびと遊んでほしい」と思っているにもかかわらず、教育に力を入れている民間学童を選ぶと、家庭と学童の方針の違いに子どもは困惑するかもしれません。

民間学童を選ぶ際は、まず家庭における教育方針を夫婦間で確認し、その教育方針にマッチする民間学童を探すとよいでしょう。

3-2.子どもにとってストレス・負担がないか

教育方針やカリキュラム、施設の雰囲気、親の思いから民間学童を選びがちですが、利用する民間学童を決める際は子どもの気持ちを優先するようにしましょう。民間学童に通うのは、親ではなく子どもです。子どもが通いたいと思わない場合、民間学童に行くことを嫌がる可能性があります。

そのため、親だけでなく子どもと一緒に見学会や体験会に参加し、施設の雰囲気や子どもたちの様子などを見て、子どもの率直な意見や素直な気持ちを聞くようにしてください。子ども本人が無理なく通えそうか考えることが、最良の選択につながります。

3-3.両親の働き方に合った開所・閉所時間か

基本的に民間学童は公共学童に比べると朝早くから夜遅くまで利用できるとはいえ、開所・閉所時間は施設によって異なります。民間学童であっても土日は開いていない場合、お盆や年末年始は休業となる場合もあるため、注意が必要です。

特に、始業時間・終業時間が不規則な職場に勤めている場合は、民間学童の営業スケジュールと仕事の都合が合うか確認するようにしましょう。

3-4.十分な数の職員が配置されているか

民間学童で子どもを預かる職員の人数が十分であるかも確認すべきポイントの一つです。子どもに対して職員の人数が不足している場合、子どもが教育や指導を受ける機会が減ります。職員の目がすべての子どもに行き渡らないために、思わぬトラブルに発展するかもしれません。

民間学童でどれくらいの職員が常駐しているかは、ホームページなどで調べることもできますが、自分の目で確認することをおすすめします。実際に見学会や体験会に参加し、職員の人数だけでなく、資格を持っている職員も所属しているのか聞くようにしましょう。

まとめ

民間学童とは、NPO法人や一般企業などが運営している学童です。公共学童は自治体が運営する学童であり、民間学童は公共学童よりも営業時間が長く、学習サービスなどが充実しています。公共学童よりも費用はかかりますが、共働き家庭にとって遅くまで子どもを預けられる民間学童は非常に心強い存在だと言えるでしょう。

民間学童を探す際は、民間学童の運営方針や開所・閉所時間、職員の人数などを確認することがポイントです。両親の気持ちを優先するのではなく、子どもが無理なく前向きに通いたいと思う民間学童を選ぶようにしましょう。
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