サマースクールとは?おすすめの3ヶ国からメリット・デメリットまで

サマースクールとは?おすすめの3ヶ国からメリット・デメリットまで

子どもたちに夏休みをどのように過ごさせるかは、保護者にとって悩ましい問題です。特に、幼児期から青年期にかけての時期は、多くの物事から刺激を受けて吸収できると言われています。そのため、インターネットを介した間接的な体験ではなく、人や自然に直接関わる体験をさせたいと考えている人もいるでしょう。

サマースクールは、体験的な活動を通して夏休みを有意義に過ごせる方法の1つです。夏休みの長い外国で始まった仕組みですが、日本から短期で参加することも可能です。そこで今回は、サマースクールの概要やメリット・デメリット、おすすめの国、参加する際のポイントについて説明します。

1.サマースクールとは?

サマースクール(サマーキャンプ)とは、夏休み期間を利用して子どもにさまざまな学習や体験活動をさせられる仕組みを言います。欧米の夏休みは6週間~3か月程度と日本に比べて長いため、この期間に両親が子どもをサマースクールに参加させるのが一般的です。

サマースクールは日本ではまだあまり定着していませんが、日本国内で体験できるプログラムのほか、短期留学として参加できる海外のプログラムもあります。日本から参加できるサマースクールの実施期間は1週間~2か月程度です。

1-1.サマースクールの主な種類

サマースクールは、主に以下の3種類に分けられます。

語学・アクティビティ
  • ・午前中は語学学習、午後にアクティビティが用意される
  • ・アクティビティは、遊園地・博物館巡り、サイクリング、カヤックなど多様
  • ・語学の勉強と現地の観光の両方ができる
  • ・幼稚園〜小学校低学年の子どもや、初めてサマースクールに参加する人におすすめ
語学集中
  • ・午前中だけでなく、午後も語学学習ができる
  • ・短期集中で語学力を高められる
  • ・ディスカッションを通して実践的な外国語を学べる
  • ・週末には買い物やスポーツ観戦などのイベントや、文化に触れるアクティビティが用意されている場合もある
  • ・将来、海外の高校・大学などに進学を検討している人におすすめ
スポーツ専門
  • ・テニス、サッカー、ゴルフ、乗馬、カヌーなど、スポーツの種類は多岐にわたる
  • ・プログラムによっては、プロの選手から指導してもらえる
  • ・現地の指導員から本格的なコーチングを受けてみたい人におすすめ

サマースクールの種類によって、学習内容やアクティビティはさまざまです。子どもの希望を踏まえて、参加するサマースクールの種類を選ぶとよいでしょう。

2.サマースクールに通うメリット・デメリット

サマースクールは、実践的な英語を身につけられる点が大きなメリットです。また、異文化や海外の人と触れ合うことで、いつもとはひと味違う成長も期待できるでしょう。しかし、サマースクールと言っても絶対に英語を話すとは限らず、料金に見合わないと感じることもあります。参加を決める前に、サマースクールに通うメリット・デメリットを確認しておきましょう。

2-1.メリット1:自立心や協調性が育まれる

慣れ親しんだ環境を離れ、ホームステイをしたり寮生活をしたりする経験は、自立心を育みます。サマースクールでは、身の回りのことを自分でしなくてはなりません。それだけでなく、言語も文化も異なる場所で新たな人間関係を作る必要に迫られるため、子どもは自力で対応する方法を学べるでしょう。

また、協調性が育まれる点もサマースクールに参加するメリットです。親元を離れて参加する子どもたちは、最初は少し緊張したり心細さを感じたりするかもしれません。しかし、国籍が違っても、同じ状況の仲間と過ごすうちに互いに支え合い、協力し合う気持ちが育ちます。

2-2.メリット2:家族や母国を見直すきっかけが生まれる

子どもは海外生活で人種の多様性や価値観の違いを学び、異文化体験をすると国際感覚が養われて、家族や母国についてあらためて考えるきっかけになります。たとえば、慣れない環境に身を置き、何事も自分で解決しなくてはならない状況は、家族の大切さを知るよい契機です。

また、国籍の異なる先生や子どもたちとの交流は、これまでの考え方が覆される貴重な体験となり、日本という国ついて客観的に捉える視点も生まれるでしょう。

2-3.デメリット1:英語を話す機会が少ない可能性がある

サマースクールではマンツーマン指導は少なく、数十人前後のクラスが組まれるため、子どもに発話のチャンスが巡ってこないことも少なくありません。能力別のクラス編成ではない場合、英語力の個人差が大きく、先生の質問に英語で答えられない場合があります。

反対に、英語力に問題がなくても、大勢の参加者の前で発言することに慣れていない子どももいるでしょう。ディスカッション形式の授業で、思うように発言できず悔しさを味わうケースもあります。そのため、サマースクールに参加しても、実際には思っていたほど英語を話す機会がなく、ネイティブスピーカー並みの英語力を身につけることは難しい可能性がある点に注意しましょう。

2-4.デメリット2:費用が高い傾向にある

国やプログラム内容により差はありますが、サマースクールの費用相場は2週間で30万円前後(渡航費込み)となり、そのほかの海外留学の方法に比べて割高と言えます。近年、サマースクールの人気が高まっていることから、今後さらに費用が高くなる可能性もあります。

サマースクールのプランの中には、1週間で10万円以下など格安コースもありますが、「滞在期間が短い」「アクティビティがない」という場合も少なくありません。比較的リーズナブルなサマースクールに参加する場合は学校案内を読み、教育プログラムの内容や滞在国の治安の良さ、英語に訛りがないかなどもよく調べましょう。

3.サマースクールで人気の国3選

子どもにサマースクールを検討している人に向けて、人気の国の中から特におすすめの国を3つ紹介します。

・カナダ

カナダは北アメリカ大陸に位置し、アメリカ合衆国と国境を接する国です。ロッキー山脈などの雄大な自然の中で、子どもたちはさまざまなアクティビティを経験できます。夏の気候は涼しく過ごしやすいため、サマースクールに人気の国です。治安も比較的良く、安心して過ごせます。物価は日本と同程度~やや高めです。

・オーストラリア

南半球に位置するオーストラリアは、日本とは季節が反対になり、サマースクールの時期は冬です。移民や留学生が多いため、日本人の子どもでもなじみやすく、さまざまな国籍の友人を作れるでしょう。都会的な地域と自然あふれる地域があり、好みの地域を選べます。オーストラリアの治安は良く、物価は高めです。

・アイルランド

イギリスの隣国であるアイルランドは、古い建物や遺跡が多く存在し、歴史を感じられる国です。夏は涼しく過ごしやすい気候で、サマースクールにおすすめです。アイルランドに来る留学生は多い一方、日本人は比較的少ないため、子どもが英語を話すチャンスが増えるでしょう。「教育水準が高い」「治安が良い」という利点からヨーロッパで人気の留学先です。

4.サマースクールに参加するときのポイント2つ

サマースクールは、長い休暇中に子どもの生活リズムが乱れるのを防ぎ、学力や体力の維持、英語力の向上も期待できます。何より、若く多感な時期に他国の文化に触れ、さまざまな価値観を知る経験は、その後の人生に大きな影響を及ぼすでしょう。

サマースクールには多くのメリットが存在しますが、参加する際には2つのポイントを押さえておきましょう。

4-1.参加する目的を明確にする

サマースクールはほかの留学方法に比べて高額な傾向があります。プログラムの種類と内容は多岐にわたるため、参加する目的を明確にし、目的に沿ったプランを選ばなければ、お金と時間をただ浪費するだけになりかねません。

「英語力を伸ばしたい」「異文化に触れてほしい」「専門的な知識を身につけてほしい」など、子どもをサマースクールに参加させる目的を事前に明確にすることが重要です。目的に合うプログラムを用意している国を選ぶと失敗が少なく、子どもにとって充実した時間を過ごせるでしょう。

4-2.先生選びにこだわる

サマースクールが子どもにとって意義のあるものになるかは、先生の質が大きく関係します。特に、語学の習得を目的として子どもを参加させる場合は、先生の質にこだわりましょう。スクールによっては、指導に慣れていないアルバイトの先生や、ネイティブではない先生が担任になり、思うように学習できなかったり、正しい発音が身につかなかったりする可能性があります。

その点、指導力がある熟練の先生であれば、短期間でも語学力がアップする効果が期待できます。そのため、先生が英語教育に精通しているか、ネイティブスピーカーかという点は、事前にしっかりと調べるとよいでしょう。

まとめ

サマースクールは大きく分けて、語学学習とアクティビティの両方が取り入れられたもの、語学学習が中心のもの、スポーツを専門にしたものの3種類があります。いずれも子どもの自立心や協調性を育て、さまざまな学びや気づきを与えられますが、それほど英語を話す機会がない場合や費用が高い場合があることに留意しておきましょう。

サマースクールにおすすめの国には、カナダ・オーストラリア・アイルランドが挙げられます。お金と時間を浪費しないためには、子どもを参加させる目的を明確にした上で、先生選びも余念なく行うことが大切です。

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