テレビは子どもに悪影響?メリット・デメリットと視聴時のポイント

テレビは子どもに悪影響?メリット・デメリットと視聴時のポイント

生活に欠かせない家電であるテレビは、アニメや教育番組など、子どもが楽しめる番組を視聴できます。子ども向け番組を視聴する子どもは釘付けになることも多いため、家事や料理をしている最中は子どもにテレビを視聴させているという家庭も多いでしょう。

しかし、その一方で「テレビは子どもに悪影響を及ぼす」という話を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、実際にテレビが子どもに与える影響から、子どもがテレビを視聴するメリット・デメリット、さらにテレビを視聴させるときのポイントまで詳しく解説します。

1. テレビが子どもに与える影響とは?

「テレビは子どもに悪影響」という話は絶えず、子育て世代の人はもちろん、幅広い人が一度は耳にしたことがあるでしょう。しかし、その根拠が分からず「実際、本当に悪影響なのか」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、必ずしもテレビが子どもに悪影響ばかりを及ぼすとは一概に言い切れません。テレビ番組には子どもの成長に役立つ子ども向け教育番組もあるため、上手に活用すればかえってよい効果が期待できます。

しかし、就学前の子どもに関しては何らかの悪影響を及ぼす可能性も少なからずあります。例えば子どもと家で2人だけで過ごすことの多い専業主婦(主夫)の場合、子どもがテレビ番組に釘付けになることをうまく活用して、家事や料理を進めるというケースもあります。この場合は「子どもがおとなしくテレビを視聴している」という安心感から、子どもへの関心・注意に欠けてしまう可能性があるでしょう。このような点は、決してよい傾向とは言えません。

2. 子どもがテレビを視聴するメリット・デメリット

子育て・育児においては、保護者がテレビを上手に活用することで、子どもにとって効果的なものとなります。しかし、子どもの成長に効果的なものとなる場合でも、メリットばかりではありません。複数のメリットがある一方で、少なからずデメリットもあるため、長時間視聴させることは避けておくのがベストです。

ここからは、子どもがテレビを視聴するメリット・デメリットを、それぞれ3つずつ紹介します。

2-1. 【メリット1】考える力が刺激される

子どもにテレビを視聴させることで、テレビ番組を介して子どもの「考える力」を刺激させられるという点がメリットです。

特に、子どもたちが釘付けになりがちな子ども向け番組は、教育目的で作られたコンテンツも多々あり、このようなコンテンツでは思考力や語彙力の工場が期待できます。テレビ番組を介して新たな発見をすることができるため、思考の幅を広げさせられるでしょう。

2-2. 【メリット2】さまざまな知識を習得できる

前述の通り、テレビ番組は普段の日常生活では得られない新たな発見につながります。

子ども向け番組に限らずどのような番組でも、音や映像を実際に目で見ながら普段では知ることのできない情報を吸収することができるため、さまざまな知識を習得できるだけでなく、興味・関心が生まれるきっかけとなるでしょう。

2-3. 【メリット3】家族間のコミュニケーションのきっかけになる

親と子どもが一緒にテレビ番組を視聴することにより、家族間のコミュニケーション機会を増やすきっかけにもなります。

単純に子ども1人でテレビを視聴させても、子どもは「受け身」での楽しみ方しかできません。しかし、子どもとテレビ番組を見ながらどのように感じたのかなど感想を聞いたり教えたりすることによって、子どもは能動的にテレビを視聴でき、思考力・想像力・語彙力の発達が期待できます。

2-4. 【デメリット1】言語発達が遅れる

子どもにテレビを視聴させることのデメリットには、まず言語発達が遅れる可能性があることが挙げられます。

子どものときに育むべき言語能力は、単純に「言葉を話せる能力」だけでなく、「会話能力」も含まれます。テレビを視聴しているだけでは、テレビからの一方的な会話しか吸収できないため、言葉のキャッチボールに必要となる会話能力を培うことが困難となるでしょう。

言語発達の遅れをなるべく防ぐためには、親と子どもが一緒にテレビを見ながら会話することが重要です。

2-5. 【デメリット2】視力低下につながる

テレビの視聴は、視力低下につながる可能性があります。それだけでなく、眼精疲労やドライアイの原因にもなり得ます。これは、子どもに限らず大人も同様で、長時間の視聴は特に注意が必要です。

低下した視力をもとに戻すことは極めて困難となるため、テレビを視聴させる際は時間や明るさ、距離に注意しなければなりません。

2-6. 【デメリット3】運動不足になる

テレビに夢中になっている子どもは、たいていが体を動かすことなくじっと視聴しています。視聴時間が長ければ長いほど体を動かす時間も減り、運動不足になる可能性が高まります。

また、運動不足は体力や筋力の低下にもつながり、身体能力の発達を妨げてしまう点に注意しましょう。

3. 子どもがテレビを視聴するときのポイント4つ

子どもがテレビを視聴するときは、親が適切な見せ方を理解することが重要です。ポイントを押さえた適切な方法で子どもにテレビを視聴させることによって、前述したいくつかのデメリットをできる限り払拭させられるでしょう。

ここからは、子どもがテレビを視聴するときのポイントを4つ紹介します。

3-1. 子ども部屋にはテレビを置かない

子どもにテレビを視聴させる際に最も注意しておきたい点が、「テレビ依存を防ぐこと」です。テレビ番組が大好きな子どもは多くいますが、外遊びやご飯の時間も嫌がるほどテレビに依存するのは最も悪い影響と言っても過言ではありません。

テレビ依存を防ぐためには、子ども部屋にテレビを置かないという選択がベストです。子ども部屋にテレビを置くと、親の目が行き届かない場所で自由にテレビを視聴できるため、視聴時間や番組を適切に制限することができません。

また、インターネット対応テレビの場合はテレビ番組だけでなく動画配信サービス(VOD)の番組も自由に視聴できます。加えて、子ども部屋にテレビがあるとゲームもしやすく、親が気づいていない間に長時間ゲームをしていたということが起きる可能性もあります。テレビは、家族全員の目に入りやすいリビングのみに設置するようにしましょう。

3-2. 1日の視聴時間の上限を決めておく

テレビ依存やテレビを長時間視聴することによる悪影響を予防するためには、1日の視聴時間の上限を決めることが大切です。家庭によってはテレビをつけっぱなしにしているケースもありますが、「見たいときにいつでも見られる」という環境を作り上げてしまうため、つけっぱなしは避けましょう。

テレビの1日あたりの視聴時間は、2時間程度がベストです。しかし、子どもの年齢によっては聞き分けが難しい可能性もあるため、設定時刻に音楽が流れるという機能がついた時計を用いて「テレビを消す合図」を作っておくと有効でしょう。このように、何らかの工夫を施すことで子どもは家庭のテレビルールに浸透しやすくなります。

3-3. 食事中や寝る前は視聴NGにする

子どもにテレビを見せるときは、視聴するタイミングについても注意が必要です。視聴を避けるべきタイミングは、「食事中(授乳中)」と「寝る前」が挙げられます。

食事中や授乳中は、親と子どもの絆を深められる大切な時間です。テレビをつけていると会話が少なくなり、コミュニケーションの機会が減少してしまうため、できる限り親子ともに視聴しないようにしましょう。

また、寝る前のテレビ視聴は特におすすめしません。テレビ画面から出るブルーライトの刺激によって脳が活発になり、寝つきが悪くなったり夜泣きをしてしまったりする可能性があります。寝ると決めた時間のなるべく30分~1時間前にはテレビを消しておきましょう。

3-4. 子どもに適した番組を見せる

テレビ番組は子どもの発育に効果的な面もありますが、見せるテレビ番組によってはかえって悪影響を及ぼす可能性があります。

子どもに見せても問題ない番組は、子ども向け番組・教育番組・アニメなど子ども向けに制作されたコンテンツです。一方で、見せないほうがよい番組は、暴力シーンがあるような番組などが挙げられます。子どもに恐怖心を芽生えさせてしまったり、暴力的になってしまったりする可能性も否めません。

子どもにテレビを視聴させるときは、子ども向けに制作されたコンテンツを中心に適切な番組にし、かつ子どもが自由にチャンネルを変えられないよう、リモコンを子どもの手の届かない位置に置いておくことをおすすめします。

まとめ

「テレビは子どもに悪影響を及ぼす」という話は絶えませんが、実際には必ずしも悪い影響ばかりを及ぼすわけではありません。親がテレビを上手に活用し、子どもにとってもよい刺激となれば、思考力や想像力、語彙力を伸ばすことにもつながります。

テレビを上手に活用するためには、「子ども部屋にテレビを置かない」「視聴時間の上限を決める」「食事中・寝る前は視聴NGにする」「適切な番組を見せる」の4つのポイントを押さえておくことが大切です。ここまでの内容を参考に、ぜひテレビの視聴ルール作りをしてみてはいかがでしょうか。

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