お受験科目の行動観察とは?突破のために押さえるべき5つのポイント

お受験科目の行動観察とは?突破のために押さえるべき5つのポイント

 

お受験突破の必須項目ともいえるのが「行動観察対策」です。幼稚園受験の時とは異なり、小学校受験の行動観察は気を配るべき点が多く、難易度も高い傾向があります。行動観察に関しては、日々の生活でいかに社会性・人間性を身につけられているかが合否のカギです。

当記事では、お受験における行動観察の課題内容と採点項目、押さえるべき5つのポイント、子どもに社会性を身につけさせることの重要性について解説します。お受験を控えている子どもを持つ保護者の方は、ぜひご一読ください。

1.お受験の「行動観察」とは?

お受験科目の1つである「行動観察」とは、子どもの行動を観察し、子どもが合格に値する能力を持っているかを判断する科目です。小学校受験においては、複数人のグループで過ごしながら課題をこなすという流れが一般的です。他の受験者との共同作業においての行動は、子どもの性格が顕著に現れます。

加点の基準や試験内容ついては、各校一切公表していません。

社会性や協調性といった部分については、家庭内だけで身につけるのは困難です。そのため、行動観察テストは他の受験科目と比べて、事前の準備がおろそかになりがちな項目だといわれています。お受験を突破するためには、行動観察テストへの備えが必須です。

1-1.行動観察の課題内容の例・採点項目

行動観察の課題内容の例は、下記の通りです。

  • 紙製のコップを時間内に高く積み上げる
  • 1枚の模造紙に、テーマに沿った絵を書く
  • 先生の真似をして皆でダンスをする
  • 勝ち負けのある簡単なゲームをする
  • 指示に沿って折り紙を使い、制作を楽しむ

行動観察テストで出される課題は、決して難しいものではありません。行動観察テストでは、「課題ができるかどうか」ではなく、「周りの人と上手にコミュニケーションをとりながら課題にとり組むことができるか」を考査しています。

行動観察における採点項目は多岐にわたります。

  • 積極性
  • 協調性
  • 社会性
  • 忍耐力
  • 生活力
  • 知識力
  • 人間性

行動観察においては、個々の能力はもちろん、周囲との関わり方や気遣いなどを総合的に見ていると推察されます。課題をするまでの自由遊びや絵本の読み聞かせなど、すべての時間で行動観察の考査が行われているという意識を持ちましょう。

2.お受験を突破するために!行動観察で押さえるべき5つのポイント

行動観察では、周りの子がどのような言動をするのかが予測できないため、面接対策のように完璧な行動を事前に会得することはできません。筆記試験のように、あらかじめ100点の回答を教えることは難しいでしょう。

ここでは、行動観察で押さえるべき5つのポイントをご紹介します。学校や家でできる内容になっていますので、お受験を控えている子どもがいる方はぜひチェックしてください。

2-1.最初の挨拶を徹底する

人とのコミュニケーションの基本である挨拶が疎かな子どもに対して、良い印象を持つ人はあまりいません。「お行儀が悪い」「普段から家庭内で挨拶をする習慣がない」と思われる可能性もあります。

目上の人に正しい言葉遣いで挨拶ができることは、基本中の基本です。相手の目を見てはっきりと挨拶ができるよう、普段から家庭でも徹底しましょう。また、他の受験者である周りの子どもたちに対しても挨拶やお礼などを言えているか、という点についても試験官は見ています。

先生には「おはようございます。よろしくお願いします。」、子どもには「おはよう。今日はよろしくね。」など、TPOに合わせた最初の挨拶は第一印象の好感度を上げる重要なポイントです。

2-2.先生の話を注意深く聞く

先生が課題について説明をしている時は、集中して静かに話を聞かせましょう。話の内容を理解することも大切ですが、下記のような、話し手に対する姿勢や態度も採点のポイントとなります。

  • 背筋を伸ばし、相手のほうを向いて座る
  • 声かけに対して「はい。」や「分かりました。」などの返事をする
  • 手や足を動かさずに静かに集中して話を聞く

人の話を聞く姿勢については、生活の中で繰り返し実践しましょう。

2-3.集団の輪を乱さない

割り込みや周りの人の邪魔をする行為は、集団の輪を乱すNG行動と見なされ大きな減点となります。行動面では問題がなくても、我儘という理由で協調性がないと判断されるケースがあります。

「自分の意見を言える」「皆を引っ張っていく力がある」などのスキルを持っているのはとても良いことです。しかし、自分が自分がという気持ちが強く、周りが見えなくなることは避けなければなりません。自分の気持ちを抑えすぎず、周りの人の気持ちを考えながら発信する術を身につけさせましょう。

2-4.決められた約束を守る

小学校受験における行動観察では、多くの場合先生から約束事の説明が行われます。行動観察での主な約束事は下記の通りです。

  • 自由時間ではない時はおしゃべりをしない
  • 自分の番号が書いてある椅子を使う
  • 手をあげてから先生に質問する

上記の他にも、ゲームや遊び形式の課題にもルールが設けられます。ゲームなどに負けたくない気持ちや遊びの楽しい気持ちの中でも、決められた約束事は破らない強い心を持つことが重要です。

2-5.道具を大切にする

課題で使う、机・椅子・鉛筆・はさみ・積み木・クレヨンなどは、学校から貸し出しを受けている物です。道具を乱暴に扱ったり足で物を動かしたりすると、「物を大切にできない子」「周りの気持ちを考えられない子」という印象を与えます。

道具の使い方はもちろんのこと、道具の置き方や片づけ方も含め、「人から借りているものである」という意識を持って丁寧に扱うよう指導しましょう。

3.行動観察対策は日頃からの積み重ねが重要!

お受験における学校側の採点ポイントから、行動観察の対策は日々の積み重ねが大切であることが分かります。

幼稚園・保育園の先生、祖父母やママ友など周りの大人に協力を仰ぎながら、我が子の素顔・性格・特性を客観視してみましょう。お話しが上手なお友達がいれば、子ども目線の意見も参考になります。我が子の良い点・至らない点をしっかりと把握した上で、受験に向けて採点ポイントとなる協調性や社会性などを身につけていきましょう。

ただし、行動観察対策は始めてすぐに効果が出るものではないので、根気強く子どもの心に響く指導を続けていくことが大切です。この努力は、子ども自身が将来的に明るく充実した人生を過ごすための糧となるでしょう。

3-1.子どもに社会性を身につけさせよう!

社会性とは、「他人との関係や集団での生活を円滑に行う力」を指します。

小学校に入り、クラスという集団の中でトラブルなく生活していくためには、社会性が必要不可欠です。やって良いこと・やってはいけないことという社会のルールについては、教える側である親の責任です。まずは社会のルールを教えた上で、周りの人と上手に関わる術を身につけさせましょう。

子どもに社会性を身につけさせるには、親が模範となって思いやりのある行動をとることが大切です。些細なことでも子どもの話をしっかりと聞き、親の意見を押しつけないようにしましょう。
また、子どもたちは多くの人と関わり多様な価値観とふれあうことで、社会性を身につけていきます。さまざまな場所に出向き、多くの人や物を見る・知るという経験は、心の成長を大きく促します。幼児教室や受験塾に通ったり、地域のイベントや公園に出向いたりするのもおすすめです。

まとめ

行動観察では、受験に向けて培ってきた知識量ではなく、振る舞いや周りとの協調性などが見られています。行動観察は、自由度が高く他の子どもとのふれあいがあることから、子ども自身の力が試される難易度の高い課題です。

まずは、我が子を客観視して身につけるべき課題を洗い出しましょう。挨拶や人の話を聞くといった基本的な項目は、普段から自然にできるよう根気強く教えるのがコツです。まずは親がお手本を見せることで、子どもにも社会性が身につくでしょう。
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